タイ・バンコクには多くの日本人が暮らすエリア、いわゆる「日本人街」が存在します。
日本食レストランや日系スーパー、日本語対応の病院などが充実しており、海外生活が初めての方でも安心して暮らせるのが魅力です。
この記事では、そんなバンコクの日本人街の特徴や住みやすさ、生活環境について詳しく紹介します。バンコク移住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
バンコクには日本人街が多い!
タイの首都バンコクには、「日本人街」と呼ばれる日本人にとって暮らしやすいエリアが複数存在します。
経済発展とともに日系企業の進出が進み、駐在員やその家族、現地採用の日本人も増加したことで、自然と日本人向けのサービスが充実した地域が形成されてきました。
バンコクの日本人街には、日本食レストランや日系スーパー、病院、美容室など、日本語が通じる施設が多く、日本と変わらない快適な生活を送ることができます。
語学や食文化の壁を感じにくく、初めての海外生活でも安心してスタートしやすいのが魅力です。
以下では、特に日本人に人気のある8つのエリアをご紹介します。
スクンビット
バンコク最大の日本人街といえば、スクンビットエリアです。
BTS(高架鉄道)のナナ駅〜ウドンスック駅周辺を中心に広がり、日本人だけではなく、外国人在住者も多く集まります。
日本食レストランはもちろん、日系スーパー、クリーニング店、ベビー用品店など、生活に必要なものはほとんど揃います。
日本語対応の病院や歯科医院、塾や保育施設もあり、小さな子ども連れの家族にも人気です。
BTSや高速道路へのアクセスが良く、郊外の工場で働く日本人もこのエリアに住んでいます。
プロンポン
プロンポンは、日本人が最も多く暮らしているともいわれるエリアで、住居者のほとんどが日本人というアパートも珍しくありません。
BTSプロンポン駅周辺には高級デパート「エンポリアム」「エムクオーティエ」があり、食料品からファッション、高級レストランまで幅広く揃います。
通りを歩くと日本語の看板が多く、日本と変わらない生活感を味わえるでしょう。
日系スーパーや日本語の通じる医療機関、日本人学校へのアクセスも良いため、単身者はもちろん、ファミリーにも人気の日本人街です。
エカマイ
スクンビット通りの東側にあるエカマイも、静かで落ち着いた雰囲気が人気の住宅エリアです。
BTSエカマイ駅に直結する商業施設「ゲートウェイエカマイ」には、ダイソーや日本食フードコートがあり、日常の買い物にも困りません。
駅周辺からエカマイ通りにかけては、日本人向けのマンションやコンドミニアムが点在し、学校や病院も徒歩圏内なので、便利に暮らせる日本人街です。
バンコク東バスターミナルが近くにあり、パタヤやシラチャなどの人気観光地・工業都市へもバス1本でアクセスできるのも大きなメリットです。
シーロム・サトーン
バンコクのビジネス街として知られるシーロム・サトーン地区には、多くの日系企業がオフィスを構えています。
BTSサラデーン駅やMRTシーロム駅、ルンピニー駅など複数の鉄道駅が徒歩圏にあり、どこへ行くにもアクセスが便利です。
また、ビジネスマン向けの日本食レストランや居酒屋、日系のカフェ、マッサージ店などが充実しているため、短期滞在の出張者や観光客にも人気があり、ホテルやサービスアパートメントも豊富です。
職場と生活圏を近づけたいビジネスパーソンにとって、非常に効率的な居住エリアといえるでしょう。
アソーク
BTSアソーク駅とMRTスクンビット駅が交差するアソークは、バンコク中心部に位置する交通の要所であり、バンコク屈指のビジネス街として知られるエリアです。
日本人を含む多国籍なビジネスパーソンが行き交い、周囲にはオフィスビルや外資系企業が集中しています。
「ターミナル21」をはじめとする大型商業施設やホテルが点在し、日本食チェーンの大戸屋ややよい軒があるなど、ショッピングだけでなくグルメも充実しています。
飲食・買い物・通勤すべてが徒歩圏内で完結できる便利な立地で、東京で例えるなら新宿に近い雰囲気があり、利便性と都会的な生活を求める方におすすめです。
トンロー
BTSトンロー駅を中心に広がるトンローエリアは、バンコクの日本人街の中でも特に日本人が多く住む高級住宅街です。
トンロー通り周辺には高級コンドミニアムやサービスアパートメントが立ち並び、日本人だけでなく、欧米人やタイの富裕層も多く暮らしています。
日本食レストランはもちろん、日本語対応の病院、日本人向けの保育園、習い事教室なども点在しており、小さな子どもがいる家庭でも安心です。
ただし、家賃相場はやや高めの傾向にあるため、生活費には余裕を持っておく必要があるでしょう。
プラカノン
プラカノンは、スクンビットの中でも比較的ローカル色の強いエリアで、BTSプラカノン駅を中心に広がります。
駅周辺には高層マンションと昔ながらの住宅街が混在し、庶民的な雰囲気が魅力です。
有名な「プラカノン市場」では、新鮮な野菜・果物・惣菜などがリーズナブルに購入でき、タイの生活文化を感じることができます。
地元の人々の生活に密着した商店や屋台も多く、観光地化されていないリアルなバンコクを体験できるでしょう。
近年は開発も進み、モダンなカフェやコワーキングスペースが登場するなど、若い単身者やフリーランスに人気が高まっています。
ただし、日本人向けの施設や日本語対応の病院などは少ないため、ファミリーにはやや不便に感じることもあるかもしれません。
プルンチット
BTSプルンチット駅からチットロム駅にかけてのプルンチットエリアは、バンコクの中でも特に洗練された街並みを誇る高級エリアです。
周囲には各国の大使館や外資系企業のオフィスが点在し、国際的な雰囲気が漂っています。
高級デパート「セントラル・エンバシー」や「セントラル・チットロム」では、ラグジュアリーブランドや上質なレストランが軒を連ね、日常的にハイクラスなショッピングを楽しめるでしょう。
また、隣接するサイアムエリアへもBTSで1〜2駅とアクセス良好で、観光客にも人気のロケーションです。
住宅環境も整っており、高級コンドミニアムやホテルライクなサービスアパートメントが充実しています。
安全性が高く、清潔感のあるエリアですが、物価・家賃ともに高めなため、ゆとりのある予算が必要です。
バンコクで日本人が住みやすいエリアの特徴
タイのバンコクには、スクンビットやプロンポン、アソークなどの日本人街だけでなく、日本人が住みやすいと感じる街が多数あります。
そこで続いては、バンコクのなかでも特に日本人にとって住みやすい街の特徴を紹介していきます。
公共交通機関が便利
タクシーが手軽に利用できるバンコクですが、慢性的な渋滞が発生しやすいため、移動手段の確保が非常に重要です。
例えば、主要な日本人街(スクンビット、シーロムなど)は高架鉄道(BTS)や地下鉄(MRT)が通っているため、日常生活や通勤、ショッピングなどの移動がしやすく、運賃は17~62バーツほどで、通勤ラッシュの時間帯を避ければ快適に移動できます。
ほかにも、空港へ直結するエアポートレールリンクや高速バス、船を利用したチャオプラヤー川の水上交通など、タイには多彩な交通手段があり、交通の利便性が高いエリアは日本人に人気です。
日本食レストラン・スーパーが充実
日本人が多く暮らすエリアには、日本食レストランが数多く点在しており、寿司、ラーメン、焼肉、定食などバリエーションも豊富です。
プロンポン駅周辺の「エンポリアム」やトンローの「ドンキモール」などでは、日本と変わらない味を楽しめる店舗も揃っています。
また、フジスーパーやマックスバリュ、ドンドンドンキなどの日系スーパーでは、日本製の調味料やお菓子、冷凍食品、日用品などが購入できます。
日本食レストランや日系スーパーが近くにあるエリアは、自炊派にも非常に便利で、食文化の違いによるストレスを軽減してくれるでしょう。
医療機関で日本語が通じる
異国での病気やケガは不安になりやすいですが、バンコクには日本語通訳が常駐する病院が多くあります。
代表的なのは「サミティヴェート病院」や「BNH病院」「バムルンラード病院」などで、いずれも国際基準の医療レベルを誇り、日本語での診療・案内が可能です。
小児科、婦人科、歯科、皮膚科など幅広い診療科が揃っており、健康診断や予防接種などにも対応しています。
医療面の安心感は、特に家族連れの日本人にとって、住みやすさの基準となる大事な要素と言えるでしょう。
治安が比較的よく日本人が多い
バンコク全体では観光地などで軽犯罪も報告されていますが、日本人街を含むスクンビットやサトーン、エカマイなどは比較的治安が良好です。
外国人が多く暮らす地域では、警備体制や管理の行き届いたコンドミニアムが多く、防犯カメラや24時間セキュリティが標準装備されている物件も多数あります。
また、同じ日本人が多く住んでいることで、助け合いや情報共有もしやすく、精神的にも安心感があるでしょう。
日本人同士の情報交換がしやすい
バンコクの日本人街には、日本人会をはじめとした多くの日本人コミュニティが存在します。
LINEグループでは、学校・病院・買い物・ビザなどの生活情報が共有されており、困ったことがあればすぐに質問・相談できるのが魅力です。
子育て中のママ同士の交流や、趣味のサークル活動、ビジネス関連のネットワーキングイベントなどもあり、生活に慣れるうえでの大きな支えになるでしょう。
移住して孤独を感じにくいのも、バンコクの日本人街の魅力のひとつです。
日本人向けの賃貸物件が豊富
バンコクでは、外国人向けのコンドミニアムやサービスアパートメントが豊富にあり、日本人の生活スタイルに合わせた物件も数多く存在します。
特にスクンビット周辺では、家具家電付きで入居後すぐに生活が始められる物件が多く、バスタブやウォシュレット、IHコンロなど日本人好みの設備が整った物件も選べます。
さらに、日本語対応の不動産会社が多数あり、内見・契約・アフターフォローまで日本語でスムーズに進められる点も安心です。
家賃相場はエリアや設備によって異なりますが、駐在員向けから自費での移住者向けまで、幅広い選択肢が用意されています。
バンコクの日本人街へ移住する際の注意点
バンコクの日本人街に移住を決めたとしても、日本ではないので思ったようにいかないケースも多いです。
移住してから後悔しないためにも、ここでは事前に知っておきたい注意点について紹介します。
英語やタイ語は話せた方が安心
日本人街での生活では、日本語が通じるお店も多く、そこまで困らないかもしれません。
しかし、タイで生活する上では、やはり英語やタイ語が話せた方が圧倒的に安心です。
なぜなら、日本と違いタイにはタイ人以外にも多くの外国人が生活しているので、英語やタイ語を使う場面がどうしてもあるからです。
日本語しか使えない場合にできることが限定的になり、スムーズにいかないケースも多く、快適な生活とは言えないでしょう。
タイ語を少しでも勉強していれば現地でコミュニケーションを取れたり、メニューを読めたり行動の幅が広がります。
日本の常識にとらわれない
自分の中では常識だと思っていても、タイでは通用しないケースが多いと理解しておきましょう。
時間にルーズ、利用するお店や飲食店での対応が悪い、スリやぼったくり遭う、騙されるなどはよくあるケースなので、よほどのことでない限りは割り切って生活するスキルも重要です。
日本の日用品や食料品は高い
バンコクは、日本と比べると家賃も物価も基本的に安いです。
しかし、日本の食料品や日用品となると輸入してきたものになるので割高になります。
毎日の食卓や、日用品を日本製で揃えようとすれば、必然的に日本にいるよりも生活費が跳ね上がってしまうので注意しましょう。
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バンコクの日本人街は移住先に最適!
バンコクの日本人街は、日本語が通じる環境や日本食レストラン、日系スーパー、医療機関などが充実しており、初めての海外生活でも安心してスタートできる理想的な移住先です。
公共交通機関の利便性や比較的良好な治安、同じ日本人コミュニティの存在も大きな安心材料となります。
また、物件選びの選択肢も豊富で、ライフスタイルに応じた暮らし方ができるでしょう。
タイならではのゆったりとした空気を楽しみながら、日本の快適さも感じられるバンコクの日本人街で、ぜひ理想の生活を叶えてください。