「タイに移住したいが家賃相場がどれくらいなのか分からない」という方もいるでしょう。
タイは近年、経済発展していることで人口が増え、海外からの居住者も増えています。
それに比例してアパートやコンドミニアムも増加し、多くの物件が存在しているのです。
生活レベルが選べるために選択肢が多く、迷う場面もありますが、まずはタイの家賃相場や日本と違う部分を知ったうえで決めていきましょう。
地域別の家賃相場や、日本とタイの不動産の仕組みや習慣の違いを紹介していきます。
気になるタイの家賃相場は?スクンビット地区を例に紹介!
基本的にタイは物価が安く、日本と比較すると大半は安く感じられるケースが多いです。
そんな中、家賃は一体どれくらいの相場なのか気になるところです。
バンコクのスクンビット地区は日本人にも人気が高く、多くの日本食店が軒を連ねるエリアです。
その人気のあるスクンビットでの家賃はいくらになるのか、気になる家賃相場を見ていきます。
日本でのワンルームマンションに相当するスタジオタイプの部屋で8,000~15,000バーツ(約31,000~58,000円)になっており、コンドミニアムの2ベッドルームでは25,000~35,000バーツ(約97,000~136,000円)がおおよその相場となります。
バンコクの物件の家賃には築年数が影響されません。
その他の条件で家賃が変わってくるので、安い物件を探すのであれば、設備の劣化の心配がないところがおすすめです。
タイは部屋の広さによって家賃が変わる!
タイは築年数による家賃の変動がない一方、部屋の広さによって家賃が変わってきます。
また、タイは近年経済発展が進んでおり、それもあって家賃も上昇傾向となっています。
部屋の広さごとに家賃の上昇推移をまとめました。
1LDKの場合
バンコクのサービスアパート1LDKの家賃相場は2010年には62,000THB(約240,000円)程だったものの、2014年には77,000THB(約300,000円)程度、2019年には80,000THB(約310,000円)近くにまで上昇しています。
2LDKの場合
バンコクのアパート2LDKの家賃相場は2010年には64,000THB(約250,000円)程でしたが、2019年には74,000THB(約290,000円)程度まで上がっています。
2017年には一時期78,000THB(約310,000円)近い価格まで上昇していました。
3LDKの場合
バンコクのアパート3LDKの家賃相場は2010年には78,000THB(約310,000円)となっていました。
それから上がり続け、2016年には95,000THB(約370,000円)程まで上がり、2019年には88,000THB(約340,000円)程度となり、上昇傾向です。
タイ(アソーク・エカマイ地区)の家賃相場は?
アソークはバンコクの中でも随一のビジネス街として知られ、日本人も多く暮らしているエリアです。
住居以外にもホテルや飲食店なども多く、日本語が使える施設も少なくありません。
また、アソークはBTSとMRTの駅が設置されているため、利便性に優れている点も特徴です。
一方、エカマイはアソークと少し異なり、落ち着いた印象を受けるエリアです。
昼間は閑静でありながら、夜になるとディスコやバーなどもあることから、若者でにぎわいを見せます。
そんなエカマイも日本人居住者の多いエリアです。
アソーク・エカマイ地区の家賃相場は、スタジオタイプのアパート(ワンルーム)で月額13,000~20,000バーツになります。
タイ(プラカノン・オンヌット地区)の家賃相場は?
エカマイの東側に位置するプラカノンは、新鮮な野菜や果物が手に入る「プラカノン市場」があることでも知られるエリアです。
駅周辺には飲食店やジムなどが入っているモールがあり、そこから小さな通りに入ると閑静な住宅街が広がっています。
オンヌットは2011年頃から高層コンドミニアムが建てられ始めたことをきっかけに、現在では多くのコンドミニアムが建つエリアです。
オンヌット駅周辺を中心に商業施設などが完備され、日本人にも暮らしやすいエリアとなりました。
発展を遂げているオンヌットですが、ローカルな部分も残っており格安でご飯が食べられる食堂も多く存在します。
プラカノン・オンヌット地区の家賃相場は、スタジオタイプのアパート(ワンルーム)で月額10,000~30,000バーツです。
タイ(プルンチット・チットロム地区)の家賃相場は?
プルンチット・チットロムはスクンビットに隣接しているものの、そこまで日本人の居住率は高くないエリアです。
しかし、オフィス街のシーロム・サトーンエリアにも隣接している点や、タイ国内で最大規模を誇るショッピングゾーン「ラチャプソン」がある点、プルンチット駅前には高級デパートの「セントラル・エンパシー」がある点など、魅力の多いエリアでもあります。
バンコクの中でも地価の高いラチャダムリ通りもあるため、周辺地域は家賃相場が高めに設定されています。
スタジオタイプのアパート(ワンルーム)で月額20,000バーツほどです。
タイ(シーロム地区)の家賃相場は?
シーロム地区という場所はオフィスビルが数多く立ち並ぶビジネス街として有名なエリアとなっています。
ビジネス街ということもあり、多くのビジネスマンが多く暮らしています。
シーロム地区の家賃相場はワンルームのスタジオタイプの部屋で10,000~12,000バーツ(約39,000~47,000円)となっており、2ベッドルームでは40,000~60,000バーツ(約144,000~210,000円)となっています。
バンコクの中でも高めの相場となっていますが、設備やサービスが充実していて部屋が広いという理由であることが多いです。
タイ(バンチャック地区)の家賃相場は?
次にバンチャック地区です。
バンチャック地区はのどかな雰囲気のエリアで、タイの下町と言われています。
近年ではこの地区にも経済発展の影響が出てきており、高層コンドミニアムの建設やオフィスビルも増えてきています。
バンチャック地区の家賃相場はワンルーム物件で5,000~8,000バーツ(約20,000~31,000円)、2ベッドルームで15,000~25,000バーツ(約59,000~100,000円)となっています。
バンチャック地区の高層建築は新規の物件が多く、小さな物件であれば築年数が古い物件などが多数あり、安く住むことができる掘り出し物の物件が見つかりやすいです。
タイ(ラチャダー地区)の家賃相場は?
ラチャダー地区は、現在バンコクの新都心となるべく都市開発が進んでいるエリアです。
以前はカラフルなテントが特徴のラチャダー鉄道市場がありましたが閉鎖され、現在は同じ場所に「ザ・ワン・ラチャダー」というナイトマーケットが誕生しました。
マーケットには飲食店や雑貨店、衣服店など様々なお店が並んでいます。
また、ドンムアン空港やスワンプーム空港のいずれにもアクセスがしやすい特徴もあります。
このエリアにあるコンドミニアムは、ファミリー向けよりも単身向けが多い傾向です。
家賃相場はスタジオタイプ(ワンルーム)で月額13,000バーツになります。
借りる前に知っておこう!タイと日本の賃貸物件の違いは?
物件を借りる前に事前にタイと日本の違いを把握しておきましょう。
海外では日本と文化や習慣が違う部分が多く存在します。
契約してからの後悔や、困惑してしまうことのないように、タイでの不動産知識を勉強しておくことが大切です。
手数料がない
タイでは、賃借者が不動産業者やオーナーに手数料を支払う習慣がありません。
オーナーが不動産業者へ仲介手数料を支払うのが一般的です。
賃借者が手数料を支払う必要はなく、もし業者やオーナーに手数料を要求された場合は不当請求である可能性が高いので注意が必要です。
礼金不要
タイで物件を借りる場合、手数料に加えて礼金も支払う必要はありません。
賃借者は日本での敷金(補償金)にあたる「デポジット」というものをオーナーに預けます。
デポジットも退去時に、修繕費などを差し引かれて返金となります。
デポジットの金額は大体が家賃2ヶ月分となるので、初期費用は家賃3ヶ月分ということになります。
連帯保証人はいなくても問題ない
日本のように連帯保証人を用意する必要はありません。
そのため保証会社も存在していないのです。
外国人はパスポートさえあれば誰でも部屋を借りることは可能です。
家賃滞納となってしまった場合はオーナーに預けたデポジットから滞納分を差し引かれますが、それでも足りなくなった場合は強制退去となります。
管理会社もない
タイには不動産・賃貸の管理会社の概念が存在しません。
日本ではオーナーが契約した管理会社が様々な業務の代行を引き受けますが、タイでは仲介業者が管理会社の仕事を一貫して行うのが一般的です。
現状回復費も安くて済む
日本と比較して、退去の際の原状回復費が安いです。
日本では補償金を上回る金額となってしまうこともありますが、タイでは家賃の10%以下にとどまるのが多数です。
部屋や備品の状態にはよって金額が上がる場合もあるものの、タイの不動産業者は回復費で利益を得ようとはしないため、壁紙の張り替えや清掃などの費用を請求されることはありません。
コンドミニアムの場合、部屋のオーナーによっては法外な請求をされる場合があるので注意しましょう。
契約期間は基本的に1年
タイでのアパートの契約期間は原則1年間の契約となっており、1年未満で解約する場合はデポジットが没収されます。
これは更新後の2年目であっても同じですが、2年目以降になると「中途解約条項」という事項を契約書の中に追加してくれるケースがほとんどです。
中途解約事項というのは会社の異動などの正当な理由で契約住居から離れなければならなくなった場合に、違約金が発生することなく中途解約が可能というものです。
基本はコンドミニアムかアパート
タイで物件を借りる場合は基本的にコンドミニアムかアパートになります。
外国人がタイ現地で土地を買うことは法律違反となるので、私有地を持つことは不可能なのです。
家具や家電付きがほとんど
日本の物件との大きな違いが「家具・家電付き物件が多い」ことです。
基本的には、家具・家電が揃っている物件が多いので、自分で用意する必要がありません。
主に、テレビ、ソファ、テーブル、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどは完備されています。
それ以外に必要なものがあれば、日本で用意してから引越しをするか、現地で調達しましょう。
タイの不動産仲介業者による家賃からの中抜きはあり得る?
日本で物件を借りる際には不動産仲介業者へ手数料を支払うことが一般的です。
しかし、タイで物件を借りる場合、ほとんどの場合で仲介手数料は発生しません。
仲介手数料が発生しないとなると、不動産仲介業者が家賃から中抜きをしているのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。
そこで、ここからはタイで家賃からの中抜きはあり得るのか解説していきます。
仲介業者は中抜きできない仕組みになっている
タイの不動産仲介業者はそもそも毎月の家賃から中抜きできない仕組みになっています。
タイではオーナーと利用者で契約書を交わした場合、家賃の支払いは仲介業者を通してではなく、直接オーナーに支払うことになります。
家賃のやり取りに関して仲介業者は入り込まないため、家賃からの中抜きは行えないのです。
しかし、仲介業者にとって仲介手数料は利益につながる大事なものです。
日本だと部屋を借りる人とオーナーの両方が仲介手数料を支払うことになりますが、タイの場合は原則オーナーにしか発生しません。
場合によっては手数料が発生しているケースも
タイだと不動産仲介業者は家賃から中抜きはせず、オーナーからしか仲介手数料を取っていないとご紹介しましたが、実はタイでも場合によっては手数料が発生するケースもあります。
例えばコンドミニアムの場合です。
コンドミニアムはそれぞれの部屋にオーナーが存在しています。
日本人や外国人がその部屋に住んだ場合、タイ人のオーナーは家賃回収や部屋の問題解決に向けて対応が困難になりやすいため、部屋の管理は仲介業者に委託している場合が多いです。
そのような場合、物件は仲介業者の管理物件という名目で取り扱われ、貸し出す人も仲介業者になります。
仲介業者が貸し出しているということは、家賃を仲介業者に支払っていることになり、その中で手数料も取っていることが多いのです。
また、管理委託ではなかったとしても、仲介業者が家賃にメイドサービスや光熱費などの支払いも込みで貸し出していた場合、仲介業者は家賃に加えて手数料も取っていることになります。
手数料の金額はその業者によっても異なるので、直接業者に聞いてみると良いでしょう。
なお、教えてくれない場合はあまり良い業者ではない可能性も考えられます。
手数料が発生するケースはコンドミニアムのみ
タイの賃貸契約の中で手数料が発生するケースが存在するのは、コンドミニアムのみです。
そのため、例えばサービスアパートやアパートであれば、賃貸契約を結んだり家賃を支払ったりするのはオーナーになるため、不動産仲介業者に対する手数料は発生しません。
万が一サービスアパートやアパートを借りる際に手数料が必要と提案されることがあれば、タイ不動産の一般的な常識とは異なるため、注意しておきましょう。
タイの家賃は日本より安い
タイは物価が安く、住みやすいという印象を受けますが、家賃も安くて良心的です。
日本からの移住する際に、費用などのレベルを下げることなく維持できるのであれば、日本と同等の価格で比較的優雅な暮らしを送れます。
国が違うため規則などが全く違うところも多く、戸惑うかもしれません。
タイで快適な生活を手に入れるためにも事前の予習を行い、自分に合った物件探しをしましょう。