バンコクへの移住は、温暖な気候や物価の安さなどのメリットがあり、多くの日本人が憧れる選択肢の一つです。しかし、実際に移住してみると「思っていたのと違った…」と感じることも少なくありません。
この記事では、バンコク移住を検討している方に向けて、実際に移住した人たちが後悔した理由や失敗事例を紹介します。
バンコク移住に失敗しないための対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
バンコク移住がやばいと言われる理由
タイに住む日本人の人数は、2023年10月時点で72,308人、バンコク日本人学校の生徒数は2,183人です。(参照:外務省)
バンコクは、タイのなかでも特に人気の移住先で、スクンビットなど日本人街と呼ばれるエリアもあります。
しかし、その一方で、「バンコク移住はやばい」という話を耳にすることがあるように、バンコクに移住したことを後悔したり、失敗したと感じる人もゼロではありません。
バンコクに移住して後悔する人、失敗したと感じる人に共通する特徴は、以下の通りです。
- 海外移住への憧れが強すぎる
- ノリや勢いで移住を決めた
- 生活習慣や食文化に慣れることができない
- タイの気候(暑さや湿気)が合わない
- タイ語や英語がまったく分からない
- 安全面に不安がある など
これらの特徴に当てはまる場合、海外移住に対する理想と現実のギャップに直面しやすい可能性があります。
移住前に現地のことを調べ、生活環境や言語、気候、文化などへの理解を深めておきましょう。
バンコク移住で後悔したのはなぜ?11の失敗事例
バンコク移住を成功させるには、実際に移住した方がどんなことに後悔・失敗したのかを、あらかじめ知っておくことが重要です。
ここからは、バンコクに移住した方の失敗事例を具体的に紹介します。
今後、バンコク移住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
乾季の大気汚染(PM2.5)
タイの温暖な気候は、移住先として人気を集める理由の一つです。
しかし、乾季となる11~2月には、バンコク市内の大気汚染(PM2.5)が深刻な問題となっています。
大気汚染の影響で目や喉が痛くなったり、呼吸が苦しくなったりなど、何らかの健康被害を感じている日本人移住者も珍しくありません。
ひどい日は外出ができないなど日常生活にも影響が出るため、大気汚染は日本人が「バンコクに移住して失敗した」と感じる理由の一つとなっています。
雨季の冠水・洪水被害
タイの雨季である5~10月になると、バンコクでは道路や住宅地の一部が冠水することがあります。
道路が渋滞して移動が難しくなるのはもちろん、低地に住んでいる場合、雨季に水が引かないなどのトラブルに見舞われることもあるでしょう。
住居選びの際は、冠水や洪水の影響を受けやすいエリアなのかどうか、対策はできているのかなどをしっかりと確認し、安心して住める物件を選ぶことが重要です。
意外に物価が高い
タイの物価は安いというイメージがありますが、近年の円安やバーツ高の影響で、以前ほどの差はなくなってきています。
特に、都市部であるバンコクの物価は上昇傾向にあり、生活スタイルによっては日本と同等か、それ以上の費用がかかることもあるようです。
輸入品である日本の食品や日用品は、日本の倍以上の価格で販売されるケースも珍しくありません。
バンコクに移住後、中流以上の生活を望む場合は、それなりの出費が必要になることを理解しておきましょう。
医療費が高い
タイの医療水準はアジアでもトップクラスと言われており、特にバンコクの主要な私立病院では、日本と変わらない医療が提供されています。
しかし、日本の医療費なら3割負担で済んでいたところ、バンコク移住後は全額自己負担が基本です。
タイの公的保険に加入できる日本人は、現地企業に勤める人のみとなっています。
バンコクに移住する際は、医療費のリスクを理解したうえで、民間の海外保険の加入を検討しましょう。
害虫・シロアリが多い
気温が高く湿度が高いバンコクには、ゴキブリや蚊、シロアリなどの害虫が多く、移住した日本人がストレスを感じやすい要因となっています。
特に、シロアリの被害は建物や家具に深刻なダメージを与えることがあり、害虫駆除を定期的に行うには費用がかかります。
害虫・シロアリに悩まされて後悔しないためにも、住居選びは慎重に行うことが大切です。
停電・断水が多い
バンコクでは、激しい雷雨の影響や老朽化したインフラが原因で、停電が頻繁に発生します。さらに停電によって水道局に電力が供給されなくなると、断水が起こることがあります。
日本で停電が発生する頻度は1年間で平均1回未満ですが、タイの停電は月1回の頻度です。
そのため、度々の停電・断水によって生活に支障が出ることに不満を感じたり、失敗したと感じる方は少なくありません。
渋滞がひどい
バンコクは、慢性的な交通渋滞が問題となっています。(参照:JICA報告書)
クルマで出勤・通学する場合、わずかな距離であっても渋滞によって長い時間がかかってしまいます。
交通事故の発生頻度も非常に高く、企業によっては運転を禁止していることもあるようです。
バンコクにはBTSやMRTなどの公共交通機関も発達していますが、クルマでなければアクセスが難しい場所もあります。
また、特に大きな荷物を持って空港に向かうときには、渋滞に頭を悩ませる移住者が多いのが現状です。
英語が通じない
バンコクの場合、ビジネス街や観光地では英語が通じるため、タイ語を話せない方でも生活に大きな支障はありません。
しかし、市場やローカルな施設では英語が通じにくいため、タイ語がまったく分からないとコミュニケーションに苦労することが多いです。
言語の壁に苦しみ、後悔している移住者もいるため、タイ語の基礎を少しでも学んでおくと、日常生活がスムーズになるでしょう。
仕事が見つからない
バンコクでの就職は、現地の言語や文化への理解が求められる場合が多く、外国人が安易に仕事を見つけることが難しいです。
特に日本人の場合、タイ語のスキルや特殊な資格がなければ、労働ビザの取得が厳しくなる可能性があります。
バンコク移住後、経済的に不安定な生活を強いられることがないように、移住前に就職先を確保しておくことをおすすめします。
治安が悪いエリアがある
バンコクは基本的には安全な都市ですが、一部のエリアでは治安が悪いと感じることがあります。
日本人=お金を持っているというイメージが付いているため、特に夜間に外出する際や、観光客が多いエリアではスリや詐欺に注意が必要です。
また、タイ国内では政治運動も行われており、テロや暴動、デモなどに巻き込まれるリスクもゼロではありません。
日本と文化が違う
いくらタイが親日国であっても、海外なので日本とは大きく文化が異なります。
例えばタイは国民の95%以上が仏教徒であり、宗教を重んじる国でもあります。
寺院だと露出の多い服装やサンダルで訪れるのはNGですし、女性は僧侶に触れてはいけないという規則も設けられています。
このような細かいルールに気づかなかった結果、移住先で問題行動を起こしてしまう可能性もあるでしょう。
バンコクに移住して良かったことは?
「バンコク移住はやばい」と言われることもありますが、その一方で「バンコクに移住して良かった」と感じる日本人も数多くいます。
続いては、実際に移住した人たちが感じるバンコクの魅力を具体的に紹介します。
バンコク移住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
高級マンションに住める
バンコクの家賃相場は日本の3分の1、高くても半額程度が目安です。
そのため、日本と同じ家賃で、日本よりも広い間取りで設備の整った高級マンションに住むことが可能です。
例えば、プール・ジム付きマンションで3LDKの部屋を借りる場合、東京であれば家賃は30~60万円が相場となります。
しかし、バンコクなら15~30万円ほどで借りることができ、24時間セキュリティが常駐していたり、キッズルームやサービスカーが完備されている物件も多いです。
日本では手の届きにくい高級マンションに住める点は、バンコク移住の大きなメリットと言えるでしょう。
日本人が多くて安心できる
バンコクには多くの日本人が住んでおり、日本語対応のサービスや日本人向けのショップが充実しています。
日系スーパーでは日本の食材や日用品が揃い、日本食レストランも豊富なため、日本と同じような食生活を維持しやすいのが魅力です。
日本語対応の病院やクリニックがあるほか、日本人コミュニティも活発で、SNSやオンライン掲示板で情報交換が行われています。
日本人が多く、困ったときにすぐに相談できる環境が整っている点もバンコク移住のメリットです。
タイ料理が安くて美味しい
バンコクの屋台やローカルレストランで提供されているタイ料理は、日本人移住者にも非常に人気があります。
パッタイやトムヤムクン、ガパオライスなど本格的なタイ料理を1食数百円で楽しめるため、バンコクに移住して良かったと感じる方が多いです。
また、バンコクではタイ料理以外にも、日本食、中華料理、イタリアンなど、さまざまな国の料理を楽しむことができます。
週末には家族や友人と一緒に食べ歩きやグルメ探訪を楽しむ方も多く、バンコクの食文化の豊かさを満喫できるでしょう。
観光やリゾートを楽しめる
タイは観光地が豊富で、バンコクにも有名な寺院が多数あります。
また、ビーチリゾートとして人気のパタヤへも、バンコクからクルマで数時間でアクセス可能です。
バンコクに移住すると観光やリゾートを楽しみながら生活ができるため、特に旅行好きな方は移住ライフを満喫しています。
日本と行き来がしやすい
バンコクは日本からのアクセスが非常に良く、直行便で5~7時間ほどで行き来が可能です。
日本との時差はわずか2時間のため、時差ボケもほとんどありません。
そのため、移住後も日本に頻繁に帰国する必要がある方にとって、バンコクは都合が良い移住先と言えるでしょう。
東南アジア各国へのアクセスも良好で、シンガポールやマレーシア、ベトナムといった近隣諸国への旅行を気軽に楽しめるのも魅力です。
バンコク移住に失敗しないための対策
ここからは、バンコク移住で失敗しないために、事前にできる対策について紹介します。
移住後に後悔することなく快適な生活を始めるために、ぜひ参考にしてください。
移住後の生活費を試算する
バンコクの物価は意外と高く、特に輸入品や日本製品は日本での購入よりも高価です。
家賃や食費、交通費など、生活スタイルによっては想定以上の出費になることもあるため、事前にしっかりと試算しておきましょう。
高級スーパーや外食を頻繁に利用する生活はコストがかかるため、生活レベルを抑えたい場合は、地元の市場やローカルフードを上手く活用するのがおすすめです。
また、すでに働く場所が決まっている場合でも、移住資金として50~100万円を用意しておくと安心です。
移住するエリアと物件を慎重に選ぶ
バンコクは、エリアによって住みやすさや治安、物価が異なります。
バンコクを含め、海外での生活が初めてという方は、日本人が多いまたは近郊のエリアを中心に家探しを行うのがおすすめです。
例えば、日本人に人気のスクンビットエリアは治安も良く、日系スーパーや日本食レストランが多いため、便利な生活ができるでしょう。
ただし、家賃は立地やマンションの設備によって大きく異なり、スクンビットなどの人気エリアは高めの傾向にあります。
生活スタイルに合ったエリアや物件を慎重に選ぶことで、移住後の生活がスムーズになるでしょう。
タイ語の基礎を学んでおく
タイ語を勉強し、簡単な挨拶や礼儀表現を学んでおくと、現地の人々とのコミュニケーションが円滑になります。
挨拶など基本的なマナーを理解するだけで、親切に対応してもらえることが多くなるため、移住前からタイ語を学んでおくと、現地での生活が楽になるでしょう。
タイ語の勉強は、語学アプリやオンライン講座を利用する方が多いようです。
タイの文化や宗教について調べておく
バンコクでの生活で失敗しないためには、あらかじめタイの文化や宗教について調べておくことも大切です。
タイは仏教の国ではありますが、日本と異なる仏教が信仰されています。
信仰するものが違うということは、ルールやマナーも異なるのは当然です。
どんなことを行ってはいけないのか、どういった文化が根付いているのか、などは日本にいても調べられるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
医療保険に加入する
タイで公的医療保険制度を利用できるのは、タイの企業に雇用されている外国人のみです。
そのため、バンコクに移住した日本人の多くは、民間の医療保険に加入しています。
バンコクに移住後、安心して暮らすためにも、医療保険の加入についてはしっかりと検討しておきましょう。
バンコクは日本人に人気の移住先!物件探しは日系の不動産会社に相談しよう
バンコクは、数多くの日本人移住者が暮らしているため、日本人向けのサービスが充実しています。
ただし、何の準備もなく移住してしまうと、理想と現実のギャップを感じたり、言葉の壁や環境・文化の違いに後悔することもあるかもしれません。
今回紹介したバンコク移住の失敗事例を参考に、日本に居ながらできる事前準備や対策をしっかりと行ったうえで、ぜひ理想の移住生活を実現してください。
バンコクでの住まい探しは、日系の不動産会社を利用するのがおすすめです。
バンコクには複数の日系不動産会社があり、物件選びのサポートはもちろん、オンラインでの打ち合わせや内覧の際に、現地での生活に関する情報や緊急時の対応についてもアドバイスをしてくれます。
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タイ・バンコクでおすすめの不動産会社については、こちらの記事をぜひ参考にしてください。